XG音源のエフェクトの使い方

ギターに歪みを効かせたりディレイをかけたりなど、音色や空間の演出が出来ます^^
ぜひ一度はチャレンジ!

バリエーション・エフェクト

XG音源のバリエーション・エフェクトには、インサーション・エフェクトとして使う場合と、システム・エフェクトとして使う場合とがあります。
  • インサーション・エフェクト = 1メンバーだけにかけられるエフェクト
  • システム・エフェクト = 全てのメンバーにかけられるエフェクト
音の通る通り道は(実際にはちょっと違うかもしれませんが)だいたいこんな感じにイメージしてください。 effect_place

XG音源:インサーション・エフェクトとして使う

バリエーション・エフェクトの設定には、エクスクルーシブ・メッセージ(DATAコマンド)を使います。

バリエーション・コネクションを切り替える

*DATA " 02, 01, 5A, 00 "

バリエーション・コネクションを「インサーション」にします。

  • 00. インサーション
  • 01. システム
多くの音源ではインサーションがデフォルトになっているので書かなくていい場合もあります。

*POOL " 43, 10, 4C " ;YAMAHA ID
*DATA " 02, 01, 5A, 00 " ; バリエーション・コネクション(00=Ins.)

使用するバリエーション・エフェクトの種類を選ぶ

*DATA " 02, 01, 40, MSB, LSB "

使いたいバリエーション・エフェクトを選択します。MSB・LSB で指定します。

*POOL " 43, 10, 4C " ;YAMAHA ID
*DATA " 02, 01, 40, 05, 00 " ; 例 「Delay L.C.R」を選択(05,00)

各バリエーションエフェクトの MSB, LSB
エフェクトMSB, LSBエフェクトMSB, LSB
HALL 101, 00CHORUS 341, 02
HALL 201, 01CELESTE 142, 00
ROOM 102, 00CELESTE 242, 01
ROOM 202, 01CELESTE 342, 02
ROOM 302, 02FLANGER 143, 00
STAGE 103, 00FLANGER 243, 01
STAGE 203, 01SYMPHONIC44, 00
PLATE04, 00ROTARY SPEAKER45, 00
DELAY L.C.R05, 00TREMOLO46, 00
DELAY L.R06, 00AUTO PAN47, 00
ECHO07, 00PHASER 148, 00
CROSS DELAY08, 00DISTORTION49, 00
EARLY REF 109, 00OVER DRIVE4A, 00
EARLY REF 209, 01AMP SIMULATOR4B, 00
GATE REVERB0A, 003 BAND EQ4C, 00
REVERSE GATE0B, 002 BAND EQ4D, 00
CHORUS 141, 00AUTO WAH4E, 00
CHORUS 241, 01
(ここに書いたのは、XG必須エフェクトのみです。機種によってはもっとたくさんのエフェクトを内蔵しているものもあります)

インサーション・エフェクトを使うメンバーを指定

*DATA "02,01,5B, mm"

インサーション・エフェクトを使うメンバーを指定します。
 ※インサーション・エフェクトをかけられるメンバーはひとつだけです。

mm 部分はメンバーを16進数で指定します。

*POOL " 43, 10, 4C " ;YAMAHA ID
*DATA " 02, 01, 5B, 02 " ; Cメンバーを指定

(Zメンバーに注意のこと)
メンバーABCDEFGH IJKLMNOZ
XG MIDIch01234567 8ABCDEF9

最終的にはこのようになります。

*POOL " 43, 10, 4C " ; YAMAHA ID
*DATA " 02, 01, 5A, 00 " ; インサーション・エフェクトに切替
*DATA " 02, 01, 40, 05, 00 " ; 「Delay L.C.R」を選択
*DATA " 02, 01, 5B, 02 " ; Cメンバーを指定

あとは必要に応じ、パラメータ内容を変えていきます。

XG音源:システム・エフェクトとして使う

バリエーション・コネクションを切り替える

*DATA " 02, 01, 5A, 01 "

バリエーション・コネクションを「システム」にします。
  • 00. インサーション
  • 01. システム

*POOL " 43, 10, 4C " ; YAMAHA ID
*DATA " 02, 01, 5A, 01 " ; バリエーション・コネクション(01=Sys.)

使用するバリエーション・エフェクトの種類を選ぶ

インサーション・エフェクトと同様。

エフェクト量をメンバーごとに設定する

X94=

リバーブ(R)・コーラス(Q)と同じ要領で、メンバーごとにエフェクト量を設定します。
エフェクト量のコントロールは X94= で行ないます。

@A X94=20
@C X94=40


最終的にはこのようになります。

*POOL " 43, 10, 4C " ; YAMAHA ID
*DATA " 02, 01, 5A, 01 " ; システム・エフェクトに切替
*DATA " 02, 01, 40, 05, 00 " ; 「Delay L.C.R」を選択
@A X94=20
@C X94=40

あとは必要に応じ、パラメータ内容を変えていきます。
※ご注意
X94= は、XG 音源では「バリエーション・エフェクト量」の設定ですが、GS 音源では「ディレイ量」の設定になります。
例えば、XG 音源では「ディストーション」をかけたつもりが、GS音源での再生時には構わず「ディレイ」になってしまうわけです。

このあたりはメーカーによる違いであって仕方ないコトですので、ご承知しておいてください。

XG音源のバリエーション・エフェクト・パラメータ

XGエフェクト・パラメータ

エフェクトのパラメータはエフェクトの種類によって内容バラバラです。
すべてのエフェクトのパラメータを書くとたいへんなページ量になります^^;;;

……この際ですから、音源マニュアルのデータフォーマットの読み方を憶えていっちゃってください!(笑)

エフェクト・パラメータのアドレスを調べる

MIDIデータフォーマット

まずは音源マニュアル巻末あたりにある「 MIDI データフォーマット」を探します。XG音源ならばきっとあります。
細かい文字だらけで混乱するかもしれませんが、「 Variation Parameter 」と書いてある部分を必死に探しましょう^^;

アドレスは、02, 01, 4x から始まります。
(パラメータナンバー 11 以降は 02, 01, 7x

xg_data_format

エフェクトパラメータリスト

次に、エフェクトパラメータリスト。これも XG音源のマニュアルにあります。
エフェクトの種類によって内容が違いますのでご注意。
xg_param_list

照らし合わせる

パラメータリストのナンバーを以下のように当てはめていきます。
パラメータリスト
データフォーマット側パラメーターリスト側
アドレスParameterNo.Parameter Name
02, 01,42VARIATION PARAMETER 1 MSB 1Reverb Time
VARIATION PARAMETER 1 LSB
44VARIATION PARAMETER 2 MSB 2Diffusion
VARIATION PARAMETER 2 LSB
46VARIATION PARAMETER 3 MSB3Initial Delay
VARIATION PARAMETER 3 LSB
48VARIATION PARAMETER 4 MSB4HPF Cutoff
VARIATION PARAMETER 4 LSB
4AVARIATION PARAMETER 5 MSB5LPF Cutoff
VARIATION PARAMETER 5 LSB
4CVARIATION PARAMETER 6 MSB6
VARIATION PARAMETER 6 LSB
4EVARIATION PARAMETER 7 MSB7
VARIATION PARAMETER 7 LSB
50VARIATION PARAMETER 8 MSB8
VARIATION PARAMETER 8 LSB
52VARIATION PARAMETER 9 MSB9
VARIATION PARAMETER 9 LSB
54VARIATION PARAMETER 10 MSB10Dry/Wet Balance
VARIATION PARAMETER 10 LSB
70VARIATION PARAMETER 1111Rev Delay
71VARIATION PARAMETER 1212Density
72VARIATION PARAMETER 1313Er/ Rev Balance
73VARIATION PARAMETER 1414High Damp
74VARIATION PARAMETER 1515 Feedback Level
75VARIATION PARAMETER 1616

各パラメータのアドレスが確定しました^^

*POOL " 43, 10, 4C " ;YAMAHA ID
*DATA " 02, 01, 42, mm, ll " ; Reverb Time
*DATA " 02, 01, 44, mm, ll " ; Diffusion
*DATA " 02, 01, 46, mm, ll " ; Initial Delay
*DATA " 02, 01, 48, mm, ll " ; HPF Cutoff
*DATA " 02, 01, 4A, mm, ll " ; LPF Cutoff
*DATA " 02, 01, 54, mm, ll " ; Dry/Wet Balance
*DATA " 02, 01, 70, dd " ; Rev Delay
*DATA " 02, 01, 71, dd " ; Density
*DATA " 02, 01, 72, dd " ; Er/Rev Balance
*DATA " 02, 01, 73, dd " ; High Damp
*DATA " 02, 01, 74, dd " ; Feedback Level

  • mm = MSB
  • ll = LSB
  • dd = data
あとは、パラメータリストの設定範囲( Data Range )を見ながら、値を入れていくだけです。