コードについてのお話、その2です。
「1」「4」「5」コードに他のコードを加えてみる
前回の「1」(トニック)、「4」(サブドミナント)、「5」(ドミナント)の3つのコードだけではちょっと物足りないので、他のコードを付け足してみます。

※あえて転回はさせていません。
「6」と「2」のコード(代理コード)
トニック 'C' のコードの構成音は [ ceg ] ですが、構成音が ' C ' とよく似た [ ace ] の 'Am' でも代理コードとしてトニックと同じ役割をさせることが出来ます。
「6」番目のコードです。マイナーコードになるので「6m」と書いていきます。
代理コードは元のコードと同じように進むことは出来るのですが、代理コードから元のコードに進むことだけは出来ません。
「1」→ 「6m」 の流れはひとつのトニック と考えます。

「1」の代理コードに「6m」
代理コードは元の音の2度下が根音のコードを使う場合が多いみたいです。構成音が似ていれば他のコードも代理に使えると思いますが。
トニック。「1」→「6m」。
※トニックが 'C' ならば 'Am' が代理としてトニックに使える( c の2度下 a が根音 )。

Cの代理コードAmを加えてみる.wav
「1」→「6m」→「4」→「5」。これはかなり多いパターンです。
「4」の代理コードに「2m」
サブドミナント。同じように「4」の代理「2m」を入れてみる。

Fの代理コードDmを加えてみる.wav
ここまで来るともううっすらメロディが聞こえてきそうであります(・v・)
「3」と「7」のコード
残りの「3」と「7」のコードです。

「3」のコード
「3」はマイナーコードになるので「3m」になります。
C音階で言えば 'Em' [ egb ] であり、 'C' [ ceg ] ・'G' [ gbd ] の両方に構成音が似ているので「1」「5」どちらの代理としても使える便利なヤツのハズですが。
実際はあまり頻繁には曲中に出てこない気がしてますです(;・∀・)
「7」のコード
「7」は「7m-5」……ちぃと小難しいコードですね。C音階では 'Bm-5' [ bdf ] になり、鳴らしてみても不安定な印象のコードです。
'G' [ gbd ] に構成音が似てますんで「5」の代理になりそうですが、これまたあまり頻繁には登場してこないですねぇ。
短音階のコード
短音階の場合の7つのコードです。Am音階で解説します。

鍵盤は abcdefg の並びになるので、ぐるりとローテーションして今度は 'Am' がトニック のコードになります。白鍵盤しか使わない Am音階なので使われるコードは C音階と同じです。
が。
ひとつだけ。Am音階のドミナントにあたる 'Em' [ egb ] が 'E' [ eg+b ]のメジャーコードになってます。
※この小節の演奏には臨時記号が付いて g は g+ になります。
根拠はワタシには正直解りませんが(;・∀・)
短音階の場合でも、ドミナントはメジャーコードにするのがお約束らしいのですよ。
聴き比べてみると確かに響きが全然違ってて、なんだか色っぽくも感じますw

- 次回に続くのだ -
コメント
コメント一覧 (8)
(というか、長調:Cと短調:AmのトニックがどちらもCと思い込んでいた)
Bm7-5は短調の場合に「2」の和音なので「4」の代理として機能するならば、
普通に使われているのでは無いだろうかと思いついて、調べてみたら、ありました
わりと普通に
Am Bm7-5 E7 Am
ああ 津軽海峡 冬景色
F#m7-5 B7 Em F#m7-5 B7 Em
酔えば 酔うほど 淋ししくなってしまう
Am E7 Bm7-5 Am
赤く咲くのはケシの花 白く咲くのは百合の花
実は私の守備範囲のクラシック曲では同じ曲でBm7-5とG7が混じって居るのを良く見かけます
作曲家が記述を分ける場合は何か意図があるのではと思うのです(異名同音)
しかしその理由が判りませんでした
手っ取り早くコード進行を調査するなら、ヒットソング集という良い本があって利用しました
クラシック曲でも同じなのか、ボチボチ調べようと思います
> Am Bm7-5 E7 Am
> ああ 津軽海峡 冬景色
> F#m7-5 B7 Em F#m7-5 B7 Em
> 酔えば 酔うほど 淋ししくなってしまう
> Am E7 Bm7-5 Am
> 赤く咲くのはケシの花 白く咲くのは百合の花
選曲渋いですねw
こういう「2」から「5」に進むものを「ツーファイブ」って言うんでしょうか。
ドミナントに対してのドミナント……の関係になってるというか。
ドミナントへの進行が強くなるんですね。
『圭子の夢は夜ひらく』の Bm7-5だけは
サブドミナント代理じゃなく
ドミナント E7の代理コードかなあ。
進行が逆になっちゃうから……( ゚д゚)
( ゚д゚)あれっ?
Bm7-5 と G7 って構成音同じでしたっけ。
シレファラ と ソシレファ になりませんか?
私の感覚では3つともドミナントセブンの代理と感じました
その位置はサブドミナントではむしろ違和感を感じるのです
ドミナントセブンの前振り、あるいは拡張とか
何れもググッと迫るようなシブさの演出に使われているのかと
>選曲渋いですねw
ちなみに選曲した訳ではありません
最初は適当に探したら全く見つからなかったので「ジャンルが違ったかも」
ジャンルを「演歌&歌謡曲」にしたら次々と見つかって
フレーズを切り出しても判りそうなのを順に3つ引いたのでした
最後に
Ⅶの和音はBm-5ですね
Bm7-5は更に3度上に音を足したマイナーセブンです
Bm-5だと主要3和音との差が大きいのが、Bm7-5少しさらっとして
使いやすいように思います
クラシックではしっかりBm-5も使うようです
> 3つのサンプルで何の代理なのか試してみました
> 私の感覚では3つともドミナントセブンの代理と感じました
ワタシの解釈ではこうでした(;・∀・)
> Am Bm7-5 E7 Am
Am(1) → Dm(4) → E7(5) →Am(1) の代理
> F#m7-5 B7 Em F#m7-5 B7 Em
Am(4) → B7(5) → Em(1) → Am(4) → B7(5) → Em(1) の代理
> Am E7 Bm7-5 Am
Am(1) → E7(5) → E7(5) → Am(1) の代理
こうなら
・1 → 4 → 5 → 1 の進み順
・代理コード → 元のコードには進まない
……のルールにも合ってるかなぁと思いましたもので^^;
続きですw
2番めの曲のコード進行ですが。
> F#m7-5 B7 Em F#m7-5 B7 Em
このコードの「直前」のコードは
・トニックである Em
・代理の元コードであるサブドミナント Am
のどっちかと推測出来るのですが、どうでしょう?
そしてもし Am であれば、そのさらに前のコードがおそらく Em です。
※サブドミナントと考えれば「直前がドミナント」はありません。
5 → 4 の進行になってしまうので✕
直前のフレーズは
B7 Em Am
これで およしよ そんなに強く ないのに
なんとMIZさんの予想が完璧に的中していました
4.のコメントでは説明不足だったので補足します
ギターを弾きながら歌ってみて馴染むコードはどちらなのかを試したのでした
F#m7-5 B7 Em F#m7-5 B7 Em
改めて試して見て、この進行では始めはAmの代理で、次はB7の代理と感じました
同じ進行をしているフレーズが有りましたので紹介します
Em Am F#m7-5 B7 Em
あなた恋しい 北 の 宿
短調の曲でシブさの表現に最適な和音なのではないでしょうか
5.の返信
理論では無く、耳を頼りに決めて見ました
Am Bm7-5 E7 Am
Am(1) → Dm(4) → E7(5) →Am(1) の代理
>Am(1) → E7(5) → E7(5) →Am(1) の代理
> F#m7-5 B7 Em F#m7-5 B7 Em
Am(4) → B7(5) → Em(1) → Am(4) → B7(5) → Em(1) の代理
> Am(4) → B7(5) → Em(1) → B7(5) → B7(5) → Em(1) の代理
> Am E7 Bm7-5 Am
Am(1) → E7(5) → E7(5) → Am(1) の代理
同じです
自分がコードを付けるとすればこうすると言う判断です
ちなみに
短調のⅡのコードはドミナントセブンの代用になっても、ドミナントの代用にはならないような気がしています
理由は共通となる音が2つ(共通となる音程が1つ)必要と思うからです
> 直前のフレーズは
> B7 Em Am
> なんとMIZさんの予想が完璧に的中していました
ぅわぉ!ww
ルールに従って絞っていっただけだったんですが、ホントにこういうのって「理論」なんだなぁ。面白い!
> Em Am F#m7-5 B7 Em
> あなた恋しい 北 の 宿
同じですねー。1 → 4 → 2 → 5 → 1 の流れになってますね。
> 短調のⅡのコードはドミナントセブンの代用になっても、ドミナントの代用にはならないような気がしています
>理由は共通となる音が2つ(共通となる音程が1つ)必要と思うからです
これ同感です。セブンスだからこそ代理になり得たと思います。
実際に耳コピしていても、ドミナントの代理ってほとんど登場しないですねぇ。
木下さんが示された例を見て「へー、ドミナントも代理ってあるんだぁ」と思ったほど珍しかったです。