強弱

音符ごとの強弱を表現するには、v(小文字)を使います。
 ※MIDI では強弱のコトを「ベロシティ(ヴェロシティ)」と言います。その頭文字です。

(小文字)v値 v+値 v-値

設定範囲

v0(無音) ~ v127(最大)

初期値

v100

記述例

v指定(値は例です)

v100 d1 ; 直接指定。同フィンガー内にて、次に v 指定をするまで有効
v+10 d1 ; 同フィンガー内にて、直前に指定した値に 10 を足した値になる
v-10 d1 ; 同フィンガー内にて、直前に指定した値から 10 を引いた値になる

v(強弱)に遅延効果を使用の場合

vには遅延が使用できます。
下の例では、音が鳴るたびに徐々に音が小さくなっていきます。

v100 d4rmf v10:1 slc < d >

(小文字)vに遅延を使用の場合、発音中の音の音量を変えることはできません。

アクセント

任意の音符にアクセントをつけます。

(小文字)w+値 w-値

ドラムやパーカッションなど冒頭に v を指定するコトが多いパートには、この w 指定が威力を発揮します^^

設定範囲

w-127 ~ w+127

初期値

w+20 (2021/7/24 改定)
w0 (普通は記述の必要はありません)

記述例

w 指定(値は例です)

w+10 d1 ; 同フィンガー内にて、直前に指定した v 値に10を足した値になる
w-10 d1 ; 同フィンガー内にて、直前に指定した v 値から10を引いた値になる

; ※更に続けて w+10(w-10)指定があった場合には、直前に指定した w 値に 10を足した(引いた)値となる。

v との相違点

vは指定した音符以降すべての音符に効果がかかるのに対し、wは指定した音符のみに効果します。
アクセントは、もちろん vだけでも表現できますが、vのみでの指定の場合は、そのつど vを元の値に戻さなくてはいけません。

vのみでアクセント指定した例

v80
#A0 | v+40 d4 v-40 ddd | v+40 d4 v-40 ddd |

wを使ってアクセント指定した例

v80
#A0 | w+40 d4 ddd | w d4 ddd |

wは、一度指定すれば以降数値を添えなくとも「w」と書くだけで直前の指定を引き継ぎます。
次の w指定があるまではずっと有効です。

補足

例えば「 v100 」を設定したあとでアクセントを「 w-100 」にしてしまうと、この w 指定は無効とみなされます。
ベロシティ値(強弱の値)が (v)100 - (w)100 = 0 となってしまうためです。

ミュート演奏を表現したいときなどは、v1 となるようにするか、w-99 以下(v100が基本の場合)とすることになります。

※ 「強弱が “ v0 ” の場合、そのデータは MIDI出力の対象になりません」
(マニュアルより抜粋)

「ベロシティ」の本来の意味は“ 速度 ”です。
ピアノなどの鍵盤を叩く“打鍵スピード”が速いほど強く弾かれているとみなされるのですね。